マットレスの反発力を生み出している構造物(素材)で大別すると、
コイルバネ、ウレタン、化学繊維の3種類です。
古くからあるマットレスは、厚みがあって重くゴージャスな感じのものが好まれてきました。 コイルバネの反発力を利用しており、独立したバネのポケットコイルタイプと、連結して繋がっているバネのボンネルコイルタイプの2通りがあります。
ポケットコイルは、バネが独立しているので体の凹凸に沿って体を支えます。 横向きに寝ることが多い方は、ポケットコイルが向いているでしょう。 仰向けに寝ることが多い方は、おしりが下がり気味になるため、クッションが柔らかめなので腰痛になるリスクがありそうです。
ボンネルコイルタイプは、体を面で支えるので硬めの感じです。 仰向けに寝ると、水平に近い姿勢になり、腰痛のリスクは少ないでしょう。 ただし、このボンネルタイプでも、柔らかめのマットレスを選ぶと、腰を痛める恐れがあります。
この2つのタイプのいずれも、重くて動かせない、洗えないなどの欠点があります。 洗えないので、汚れ防止のためにマットレスパッドを敷いて使うのが一般的です。
これに対して、コイルバネ以外で反発力を生む素材としてウレタンがありますが、安価ですがヘタリ易い、臭いがするなどの欠点があります。 また、通気性が悪く、カビが生えやすい欠点もあります。 洗えないこともないでしょうが、水を含んで重くなりますので、かなり苦労します。
これに代わる素材として最近注目を浴び広く使われるようになったのが、特殊な素材でできた低反発マットレスや、化学繊維を絡めたり、編み上げたりして反発力を生む繊維構造体の高反発マットレスです。
どちらもコイルタイプのマットレスに比べて、はるかに軽く、又、薄くても十分な反発力を生み出しています。
次に、反発力の種類で大別すると、低反発マットレスと高反発マットレスになります。 (なお、コイルタイプのマットレス及びウレタンタイプのマットレスは、反発力が弱いものはありますが、高反発タイプです。)
低反発マットレスは 手で押さえると手形が暫く残っている程弱い反発力です。 元々は、NASAの宇宙飛行士の座席クッション用に開発された素材です。
寝返りが打ちにくく、体に密着するので夏は暑いです。 横向きに寝ることが多い方には、凸部の肩やお尻も柔らかく支えてくれるので良かも知れません。 ウレタン素材と同様に、洗うのは無理でしょう。
高反発マットレスは 古くからあったタイプですが、低反発マットレスが現れたので、それと区別するために高反発マットレスと呼ぶようになったようです。 強めのクッション素材で体を支えるタイプのマットレスで、コイル、ウレタンや弾力性の有る化学繊維が使われています。
コイル、ウレタンのマットレスは、冒頭に説明したとおりです。 繊維構造体(反発力の有る化学繊維)のものは、厚手の物はマットレスとして使われ、薄手の物はマットレスパッドとして使われます。
この高反発マットレスパッドは、通気性が良いこと、体圧分散性に優れている点や、軽くて丸洗いができるなどの利点が好まれて、マットレスや敷布団の上に敷いて使われています。
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それでは、私がお勧めする繊維構造体の高反発マットレスについてお話します。 繊維構造体の代表的なものは、次の3種類です |
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繊維構造体1 弾力性のある繊維を、グシャグシャと丸めて、反発力を生み出すタイプ
元々は、梱包時の緩衝材として使われていたものです。
このタイプの構造体は、耐久性が課題のようです。
構造体単体では通気性は良いのですが、繊維の切った端が体に触れると痛いので、一般に布カバーに入っています。(単体だけを販売しているメーカーもあります) エアウイーブやエア〇○といった商品がこれに当たります。 |
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繊維構造体2 弾力性のある繊維を、縦に並べて反発力を生み出すタイプ
反発力は強めで点や線でなく面で支えるので、寝心地に違和感を感じることがあります。 厚みが2cmといった極端に薄いタイプに多いようです。 |
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繊維構造体3 弾力性のある繊維を、波形に熱成形して反発力を生みだすタイプ
メディカルコンフォートだけが、このタイプです。
少ない材料で丈夫な構造物を作ることができます。
身近な例では、段ボールがあります。 |
波型トンネル構造体メディカルコンフォートの9つのポイント | |||||||||||||||||||
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